国際戦略経営研究学会

会長挨拶


当学会は2008年1月に、「戦略経営」のフロンテイアの開拓を目指すという理念のもと設立され、今年度で15年目を迎えました。私は第8代の会長(2022〜2023年度)を務めることになりましたが、歴代の会長が取り組んでこられたこれまでの道程を踏まえて、新しい時代に向けた歩みをさらに進めていきたいと考えております。当学会が会員の皆様にとって、一層魅力的な存在となるよう微力を尽くしたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。

国内に経営学系の学会は数多くありますが、当学会にはいくつかのユニークな特徴があります。まず実務家の会員比率が35%(2022年10月末現在)と高く、大学教員・研究者と実務のプロフェッショナルが知恵を磨き合う場が、数多く用意されていることです。実務家の視点から研究を行い発表しやすい雰囲気があるとともに、研究者としても実務家の提供する実践知を学術知へと転換するための環境に恵まれています。このような特徴も活かして、現実の経営の諸問題を多面的、総合的に分析しつつ、それを踏まえて新しい戦略理論の構築を試みる活動を活発化させていきたいと思います。

また、当学会は戦略、組織、人材開発、研究開発、財務会計、国際経営など、様々なファンクショナル分野を総合的・体系的に捉える「戦略経営」の展開を目指しています。経営環境が複雑に変化する中で、企業経営においてはそれぞれの変化に適応できるための、高度な専門性が求められてきました。しかし新しいパラダイムに挑戦していくためには、経営を総合的に捉える視点が不可欠であり、これをアカデミアの立場からも推進していくことが求められています。総合的・体系的な「戦略経営」論という新領域の確立を目指す当学会の果たす役割は、ますます重要になっていると思います。

さらに、学会名にも冠されているように、「国際」的な視点と手法で戦略経営を論じることが重視されています。設立当初から和文ジャーナルに加えて英文ジャーナルを発刊し、すでに第14巻を刊行するまでになりました。国内学会にとって英文ジャーナルの発刊は様々な困難を伴いますが、海外の研究者や英文論文発表を希望する国内研究者にとって貴重な発表の場を提供しています。また研究発表大会でも英語セッションを設け、海外の研究者による基調講演やパネル討議を開催するなど、国際性を重視する方針は引き続き堅持していきたいと思います。

人口減少や博士課程進学率の低迷などの中で、会員数の維持・拡大や若手会員の確保は多くの国内学会に共通する課題です。当学会としても、これらの課題には真剣に取り組んでいく必要があります。当学会ならではの特徴を活かしながら、まずは学会活動の三本柱ともいえるジャーナル、大会、研究会をしっかりと着実に運営しつつ、国内外の研究機関との交流や情報発信、学会賞の顕彰や出版物の刊行など、様々な付加価値をつける活動を進めていきたいと思います。このような地道な活動の積み重ねによって学会の魅力が増し、多くの新たな会員の参画と会員間ネットワークの拡大に繋げることができれば何よりです。引き続き、常任理事、理事、そしてすべての会員の皆様と力を合わせて、当学会のさらなる発展のために取り組んでいきたいと思います。どうぞ宜しくお願い致します。

国際戦略経営研究学会会長
安田洋史

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